~これまでのお話~
隠岐島(おきのしま)に住む白うさぎは、サメを一列に並ばせ渡橋を作りました。ピョンピョンと渡り、あと一歩で対岸というところで、サメを騙したと口を滑らせてしまいます。激怒したサメは白うさぎの皮を剥いでしまいました。
美人で評判の良い八神比売(ヤガミヒメ)にプロポーズするため、81人兄弟で旅を続ける八十神(ヤソガミ:オオクニヌシの兄達)は、気多の岬(けたのみさき)を通りかかりました。
う「えーん、えーん。たすけてくださーい!!」
兄01「ん?泣き声が聞こえるぞ???」
兄08「なんだ?あの赤い塊は???」
兄12「よし、見に行ってみよう!!」
赤い塊に近づいてみると、それは皮を剥がれ真っ赤になったうさぎでした。
兄02「ひどいケガじゃないか!!?」
兄05「どうしたんだい?うさぴょん???」
うさぎは、ことのいきさつをヤソガミに話しました。
う「実は、カクカクシカジカで・・・」
ヤソガミは答えます。
兄45「そうだったのか」
兄01「よし、治療法を教えてあげよう」
う「え?本当ですか!?ありがとうございます!!」
兄達「まかせろ!!俺たちは神だっ!!」
うさぎは羨望のまなざしで兄達を見つめました。
兄達「よく聞け、うさぴょん。
①まず、海水でその体をきれいに洗う
②風に吹かれてよーく乾かす
たったの2ステップで君の身体は元通りさ。じゃ、俺たちは先を急ぐから。」
う「ありがとうございます。お気をつけて。」
うさぎは兄達を見送ると、さっそく海水で身体を洗いました。傷口に海水が染み、痛くて痛くて仕方がありません。しかし、うさぎは元の姿に戻りたい一心で、歯を食いしばり痛みに耐えました。
そして、草の上にゴロンと横になり、風で身体を乾かし始めました。
よう