~これまでのお話~
ウガヤは自分がタマヨリビメの実の子ではないことを知っていました
タマヨリビメは顔面蒼白になっていました
ウガヤは言いました
「お母さん・・・
僕は真実を知ることが出来てうれしいのです
だって・・・
実の親子ではないのだから・・・
恋愛だって許されるでしょう?」
タマヨリビメは黙ったままでした
ウガヤはレストラン内に設置されたグランドピアノに向かってゆっくりと歩きだしました
「エーオ!!
エーエエエーーーオ
オーライッ!!!!」
そして、椅子に腰を掛け鍵盤蓋を開け演奏を始めました
チャンチャンチャン♪
チャンチャンチャン♫(イントロ)
『ママ~♪
僕は不完全な産屋から生まれたハンパもの
あなたはそんな僕を大切に育ててくれた
ママ~♪
本当のママは海のQueenっていうかサメ
だから、たぶんあなたもサメだよね』
ウガヤは育てのママであるタマヨリビメと生みのママであるトヨタマビメに向け歌いだしました
!!ッ
「な、なんて美声だ!!」
スクープ狙いでレストランに張り込んでいたジャーナリストのフミハルは鳥肌が立つのを感じました
フミハルはすぐにカメラを回しました
この映像は13機の衛星を通じ、全オノコロジマにライブ中継されました
もちろん、海の宮殿にも・・・
ウガヤの生みのママであるトヨタマビメはTVの画面にくぎ付けになっていました
『本当のママ~♪
お元気ですか?僕は元気やっていますよ♪』
「うう、ウガヤ・・・
立派になって・・・」
トヨタマビメはウガヤに会えない寂しさと立派に成長した息子の姿に涙を流しました
父・ヤマサチも自宅でTVを見ていました
『パパ~♪
クマの被り物は寝るときも外さないんですか~
お風呂の時はどうですか~』
「おお、ウガヤ・・・」
ウガヤの歌う姿を見たヤマサチはトヨタマビメと過ごした青春の日々を思い出しました
そして声を殺して泣きました
『痩男~♪(ガリレオ~)
痩男~♪(ガリレオ~)』
ウガヤは歌い続けました
コジキノキジのアクセス数はグングン上昇し100万アクセスを突破しました
ウガヤはピアノから立ち上がると
ズンズン(足踏み)チャッ(手拍子)
ズンズン(足踏み)チャッ(手拍子)
三拍子を取り始めました(『We will rock you』調でお願いします)
そしてタマヨリビメに真剣な眼差しを向けシャウトしました
『I will
I will
wife you!!
I will
I will
wife you!!』
(オレが妻にしてやるぜ!!)
※文法は無視してください
ウガヤは21分間、歌い続けました
詩吟ッ!!
いつのまにかタマヨリビメの震えは止まっていました
よう