~ハイブリッド古事記~コジキノキジ

日本の神話・古事記を中心に神様のことなどをシンプルに書いています。風土紀や地方の伝承などを盛り込んだハイブリッドな古事記です。

さらば海の宮殿

~これまでのお話~

 

ウミサチの釣り針を探すため、海の宮殿を訪れたヤマサチ。3年の時が経ち、中つ国へ戻る日がやってきました

 

 

kojikista88.hatenablog.com

 

「お兄たま~」

 

ヤマサチの足に抱き着いてきたのは、トヨタマビメの妹・タマヨリビメでした

 

タマヨリビメはヤマサチによくなついていました

 

「お兄たま、いかないで・・・」

 

トヨタマビメは言いました

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「これこれ、タマヨリ。

 

 ヤマサチ様を困らせてはいけませんよ」

 

ヤマサチはタマヨリビメをギュッと抱きしめ頭を撫でました

 

「皆さん、お世話になりました

 

 オレはこれから中つ国に戻ります

 

 お元気で」

 

ヤマサチはそう言うと、ヒトヒロワニの背中に跨りました

 

「頼んだぞ、サメ君!!」

 

「合点承知の助!!」

 

スピード自慢のヒトヒロワニです。ヤマサチの姿はみるみる小さくなりました

 

海の住人達はヤマサチの姿が見えなくなっても、しばらくその場を離れませんでした

 

皆、思い思いにこの3年間のことを振り返っていました

 

誰にでも分け隔てなく優しく接したヤマサチは、海の宮殿の人気者だったのです。

 

「ヤマサチ様、どうかお元気で」

 

トヨタマビメはつぶやきました

 

 

よう