~これまでのお話~
海の宮殿を訪れたヤマサチヒコは、海の神の娘トヨタマビメと意気投合し、結婚しました
ヤマサチヒコと海の神の娘トヨタマビメは、めでたく結婚することになりました
かくしてヤマサチヒコの歓迎パーティーは、結婚パーティーへと変更になったのです
オオワタツミは大声でいいました
「おーい、山田君、座布団持ってきてー」
ヤマサチヒコにはアシカの皮で作った座布団と絹の座布団がたくさん準備されました
会場はたくさんの煌びやかな宝物で飾られ、豪華な料理が並べられました
竜宮城さながら、タイやヒラメが舞い踊り、皆が二人の結婚をお祝いし喜びました
タマヨリビメはまだ小さい女の子でした。
「アブアブ」
よちよちと歩きながらヤマサチヒコに近づきピタリとくっつきました
「うふふふ、かわいいなあ」
タマヨリビメは、ヤマサチによくなつきました
ヤマサチはトヨタマビメを愛し、トヨタマビメはヤマサチに良く尽くしました
家族を得たヤマサチヒコは、これまでに感じたことのない幸せに包まれ日々を送りました。そして海の宮殿に来た目的をすっかり忘れていました
月日はあっという間に過ぎ去り、ヤマサチが海の宮殿を訪れ早3年が経過しました
そんな、ある朝のこと・・・
「おはようございます、ヤマサチヒコ様」
いつものように、トヨタマビメがヤマサチヒコに挨拶をしました
「はぁ・・・」
しかし、ヤマサチヒコは深いため息をつき、トヨタマビメの声が耳に届かない様子でした
「おかしいわ?
こんなことこれまでに一度もなかったわ・・・
どうしたのかしら、ヤマサチヒコ様」
トヨタマビメはヤマサチの様子がおかしいとすぐに悟りました
その後もトヨタマビメはヤマサチの行動をよく見ていました
ヤマサチは顔色が優れず、背中も丸まり、目線が落ち着きません
「やっぱりおかしいわ・・・・」
トヨタマビメは呟きました
よう