諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしました。ヤサカトメノカミは家出をし湖を渡ってしまいました。タケミナカタは、村人が寝静まるのを待ち、ヤサカトメノカミの元を訪れましたが、会うことが出来ず帰ってきました。
その後もタケミナカタは、毎晩ヤサカトメノカミの元を訪れましたが、屋敷の扉が開くことはありませんでした。
タケミナカタは寝不足ですっかりやつれていました。
村人達はタケミナカタの様子をみて心配になりました。
「タケミナカタ様、大丈夫ですか?」
「少し休まれた方が???」
「まるで別人のようですが・・・」
タケミナカタは強がって答えました。
「いや、大丈夫だ!!オレを誰だと思っているのだ!!」
タケミナカタは持ち前の体力と精神力で平静を装っていました。
「ところで最近、ヤサカトメノカミ様の姿が見えませんね?」
「もしかしてご病気ですか?」
ド、ドキッ
ドキッとしながら、タケミナカタはまた答えました。
「い、いや、大丈夫だ。
ちょっと家事洗濯が忙しくてなぁ・・・
それにしても今日は冷えるのう。
みんな、身体を大切にして風邪などひかぬようにな」
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そして一日が終わり・・・
ホーホー(フクロウの鳴き声的なもの)
すっかり夜が更けました。
タケミナカタは、今夜もヤサカトメノカミの元へ通います。
湖に出て、舟を漕ぎだそうとすると・・・
「こ、これは!!」
なんと湖は寒さのためカチコチに凍っていました。
「くっ、これでは舟が使えぬ!!」
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「よしっ!!」
少し考えてタケミナカタは何かを決意したようです。
よう