諏訪に移り住んだタケミナカタは、ヤサカトメノカミを妻に娶り充実した毎日を送っていました。しかし、ある年のこと、うまくいかないことがあり、イライラしていました。そんなタケミナカタにヤサカトメノカミは声をかけました。
「タケミナカタ様、どうかなさいましたか?」
イライラしていたタケミナカタはつい・・・
「ええい!!うるさい!!
お前はだまっておれ!!」
と語気を荒げてしまいました。
それを聞いたヤサカトメノカミはショックを受けました。
「え?ひ、ひどいじゃないですかっ!」
(し、しまった・・・)
タケミナカタはまずいと思いましたが、素直になれませんでした。
「オレは一人で考えたいのだっ!!
静かに考えたいのだ!!
ああ!!もうほっといてくれ!!
だいたいお前はだな・・・」
ヤサカトメノカミはタケミナカタの言葉を遮りました。
「なんでそんなことをおっしゃるんですか!!
私はただ『どうされたのか?』お聞きしただけですよ?」
「だから、お前のそういうところがだな・・・」
「私のどういうところです?」
「なんだと!!どういうってそういうところだ!!」
二人は些細なことから大喧嘩をすることになってしまいました。
ヤサカトメノカミは目に涙を浮かべながら、その場をそそくさと後にしました。
「あ、う、ぐ・・・
い、いかん。。。
これは本当にまずいことになった・・・」
一人残されたタケミナカタは、呆然とその場に立ち尽くしていました。
つづく
よう