~これまでのお話~
高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチが選ばれました。タケミカヅチは凄みを効かせオオクニヌシに国譲りを迫りましたが、オオクニヌシはアマテラスの使者である証拠を示して欲しいと答えました。そこでタケミカヅチは一度高天原に戻ることにしました。
タケミカヅチはトリフネに乗り、あっという間に高天原(たかまのはら:天界)に戻りました。
そしてアマテラスに会い、言いました。
「アマテラス様、中つ国の王オオクニヌシに会ってきました。オレはオオクニヌシのことをえらく気に入りました。肚の座った大した男神です。
オレはオオクニヌシに非礼のないようにしたいと思います。アマテラス様、オレが高天原の正使であることを示す手紙をしたためてもらえないでしょうか?」
アマテラスは答えました。
「ふふふ、タケミカヅチ。すっかりオオクニヌシを気に入った様子ね。いいでしょう、今からオオクニヌシに手紙を書きます。それまで少しゆっくりしていなさい」
タケミカヅチはニコリと笑い言いました。
「ありがとうございます、アマテラス様」
アマテラスはさっそくオオクニヌシに手紙を書き始めました。
そして、昔のことを懐かしく思い出していました。
よう