タケミカヅチ、納得する
~これまでのお話~
高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチが選ばれました。タケミカヅチは凄みを効かせオオクニヌシに国譲りを迫りました。これに対しオオクニヌシはアマテラスの使者である証拠を示して欲しいと答えました。
「もっともなことだ!!」
と言いました。
タケミカヅチは自身の武力を誇示し、オオクニヌシに高圧的な態度を取っていなかっただろうか?と自問しました。そして、父イツノオハバリの言葉を思い出していました。
タケミカヅチは続けました。
「オオクニヌシ殿、あなたのご意見はもっともな話だ。オレはいったん高天原に戻り、アマテラス様に手紙でも書いてもらうとしよう。話はそのあとだ。しばしお待ちくだされ」
と続けました。
オオクニヌシは深く頷きました。
「トリフネ、悪いがオレを高天原まで連れて行ってくれ」
「お安い御用♪」
タケミカヅチはトリフネの背にまたがると、あっというまにオオクニヌシの目の前から姿を消しました。
よう