~これまでのお話~
高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチが選ばれました。タケミカヅチは天翔ける神アメノトリフネと共に中つ国の出雲へ到着しました。
タケミカヅチは、海に突き刺した剣の切っ先を目指し、稲妻の如く降臨しました。
ゴロゴロドッカーン!!
出雲の稲佐浜(いなさはま)に雷鳴が轟きました。
「いったい何事かっ!!???」
と驚き、すぐに稲佐浜に飛び出しました。
そこには剣を海の上に逆さまに突き立て、その剣先に胡坐をかいているタケミカヅチの姿がありました。
タケミカヅチは、眼光鋭く、闘気がみなぎっていました。
過去に使者としてやってきた、アメノホヒやワカヒコとは明らかに違う雰囲気です。
オオクニヌシの姿を見たタケミカヅチは凄みのある声で言いました。
「あなたがオオクニヌシ殿か!!
オレはアマテラス様の使者として参ったタケミカヅチと申す。
中つ国はアマテラス様の御子が治める国である。
今すぐに国を譲っていただきたい。
さぁ、答えを聞かせてもらおう」
よう