アメノカグ、イツノオハバリの元へ
~これまでのお話~~
高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に使者を送りましたが、アメノホヒは懐柔されワカヒコは(既婚の身でありながら)オオクニヌシの娘シタテルヒメと結婚し、中つ国に居ついてしまいました。次の使者として送ったキジのナキメは、ワカヒコに射殺されてしまい帰ってきませんでした。次の使者は剣の神様イツノオハバリに決まりました。イツノオハバリの元へ悪路をものともしない光の鹿・アメノカグを遣わしました。
アメノカグはイツノオハバリの元へ向かう為、天の安の河(あめのやすのかわ)をグングン上っていきました。
深い渓谷も苦にせず、ピョンピョンと軽快に進んでいきます。
途中、川の水がせき止められ道を塞いでいました。
「よし、もう少しでイツノオハバリ様の家だな。」
アメノカグはそう言うと、臆することなく進んでいきました。
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その頃、イツノオハバリと息子のタケミカヅチは剣の稽古をしていました。
父「よし、少し休憩しよう」
息子「いや、まだまだ出来るよ」
父「そういうな、少し休もう」
息子「わかったよ、父ちゃん」
二人は岩に腰かけました。
「ん?なんだあれ?」
タケミカヅチは何かに気づきました。
光る何者かがグングンと近づいてきます。
「ほう、こんなところにお客さんか。めずらしいこともあるもんじゃな」
イツノオハバリも光る何者かに目を凝らしました。
よう