~これまでのお話~
オオクニヌシの国造りにより、中つ国(なかつくに:地上世界)はとても豊かで賑やかでキラキラとした国になりました。高天原にいるアマテラスは、息子のオシホミミに中つ国を統治させたいと考えました。そこで八百万の神々が話し合い、中つ国の統治者であるオオクニヌシのもとに、アメノホヒを使者として送ることにしました。中つ国に下ったアメノホヒは、オオクニヌシに歓迎されすっかりオオクニヌシに惚れ込んでしまいました。
「今日は本当に楽しい宴会をありがとうとざいました。お恥ずかしい話ですが、私は中つ国は荒ぶる神が住む野蛮な国だと思っていました。しかし、そんなことはなかった。中つ国、なんと素晴らしい国でしょうか。さすがオオクニヌシ様の造り上げた国です。」
オオクニヌシは言いました。
「そんなにこの国が気に入ったのならば、中つ国に住んではどうか?我々は歓迎しますよ。」
アメノホヒは中つ国があまりに居心地が良かったので、心がグラりと揺れ動きました。
そして、
(自分は高天原の代表としてやってきたわけだけど、まぁそんなに慌てることもないか。ゆっくり高天原と中つ国の間を取り持っていけばいいよね。)
と思いました。
アメノホヒは言いました。
「ではオオクニヌシ様、しばらく中つ国に住まわせていただいてもよろしいでしょうか?」
オオクニヌシは答えました。
「もちろん、もちろん。しばらくなんて言わずに、好きなだけ居ればいい。」
こうしてアメノホヒは、しばらく中つ国に住むことにしましたとさ。
よう