~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃れたオオナムヂ。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。このままではいつか殺されてしまうと思い、根の国の宝を持ち出し、スセリビメと共に中つ国(なかつくに:地上世界)に逃げることにしました。追いかけてきたスサノオは二人にはなむけの言葉を送りました。
根の国(ねのくに:死の世界)と、中つ国(なかつくに:地上世界)の境である黄泉平坂(よもつひらさか)を超えたオオナムヂとスセリビメ。しばらくすると、背後から大きな声が聞こえてきました。
振り向くと、黄泉平坂に立つスサノオの姿が遠くに見えます。スサノオは、大声で二人にはなむけの言葉を送りました。
それを聞いたスセリビメはその場に泣き崩れました。寂しい思いが溢れるとともに、父に挨拶もなく根の国を離れることに引け目を感じていたので、胸のつかえが取れる思いがしました。
オオナムヂは、スサノオに中つ国の王になるよう言われました。オオナムヂは、中つ国のスーパーヒーローであるスサノオに恥じることのない立派な王になろうと心に誓いました。
二人はスサノオに深々と頭を下げました。そして、二人が頭を上げると、スサノオの姿は消えていました。
こうしてオオナムヂはスセリビメを連れ、意気揚々と中つ国に戻っていきました。
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