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スサノオのはなむけの言葉

~これまでのお話~

八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃れたオオナムヂ。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。このままではいつか殺されてしまうと思い、根の国の宝を持ち出し、スセリビメと共に中つ国(なかつくに:地上世界)に逃げることにしました。しかし誤って「天の沼琴」と呼ばれる琴を木の枝に引っ掛けてしまいます。辺りには大音響が響きスサノオは目を覚ましましたが、二人は黄泉平坂を超え無事に逃げ切りました。

 

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スサノオは柱に結び付けられた髪をほどき、ようやくオオナムヂとスセリビメを追いかけ始めました。しかし、二人との距離は既にかなり開いています。

 

「シコオ~っ!!待て~!!」

 

地響きを鳴らし、猛追するスサノオ。根の国と中つ国(なかつくに:地上世界)との境である黄泉平坂(よもつひらさか)まで来ましたが、すでに二人の姿は遠くなっていました。

 

スサノオは、二人の後ろ姿に向かい叫びました。

 

「生太刀(いくたち)、生弓矢(いくゆみや)を使い、お前の兄達をやっつけろ!!」

 

「お前は宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ:現実世界の支配者)となり国を造れ!!」

 

「そして、大国主神オオクニヌシノカミ)と名乗り、スセリビメを正妻として国を治めるのだ!!」

 

「出雲の地に太い柱を使った立派な宮殿を建てよ!!」

 

「屋根の上に千木(神社の屋根の上に設置される交差している木材)を掲げるのを忘れるなよっ!!」

 

「このかわいい奴めっ(ほろり)」 

 

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スサノオは二人にはなむけの言葉を送りました。

 

スサノオは、幾多の試練を乗り越え立派に成長したオオナムヂを、いつの間にかスセリビメの結婚相手として認めていたのでした。

 

 

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