~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃れたオオナムヂ。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 豪火の試練を乗り越えたオオナムヂは、スサノオに頭のシラミを取るよう命じられました。しかし、スサノオの頭にいたのはシラミでなくムカデでした。
「どうした!?シコオ、早くしろっ!!」
躊躇しているオオナムヂに声を荒げるスサノオ。
そこへ、スセリビメが戻ってきて、オオナムヂに何かを手渡し耳元で囁きました。
「ムクの実を噛み潰しプチプチと音を立てた後、赤土を口に含みペッ吐き出せば、お父様はムカデを嚙み潰していると勘違いするでしょう」
オオナムヂは、スセリビメに言われた通り、ムクの実をプチプチと噛み潰し、赤土を口に含みペッと吐き出しました。
それを横目で見たスサノオは、
「ほほう、ムカデを取って噛み潰すとは。たくましく健気なヤツだな・・・」
と思いました。
すっかり安心し気持ち良くなったスサノオは、いつのまにかイビキをかきはじめました。
グォ~ グォ~ グォ~
スサノオが眠りに落ちたのを確認すると、オオナムヂとスセリビメは目を合わせ、何かを決意するかのように頷きました。
よう