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オオナムヂ、居間に招かれる

~これまでのお話~

八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃れたオオナムヂ。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 オオナムヂは豪火の試練も乗り越え無事に帰還しました。

 

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焼け野原から帰還したオオナムヂは、スサノオの前に堂々と立ちました。

 

「お義父さん、これを」

 

オオナムヂはそう言うと、鳴鏑の矢(なりかぶらのや)をスサノオに差し出しました。

矢の羽の部分は子ネズミがカジったため、無くなっています。スサノオはそれを疑うことなく、矢を受け取りました。

 

(あの豪火の中から戻っただけでなく、鳴鏑の矢まで持ち返るとは・・・ますます不思議な男だ)

 

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スサノオはオオナムヂの持つ不思議な魅力に少しだけ惹かれるようになっていました。

 

「シコオよ、さぞかし疲れただろう。屋敷に入り休むとしよう。ついてこい。」

 

スサノオはそう言うと、オオナムヂとスセリビメを連れ屋敷に入りました。そして「八田間大室(やたまのおおむろや)」という広く大きな居間に連れて行きました。

 

今までは「ヘビの間」や「ムカデとハチの間」という罰ゲームのような部屋にしか案内されなかったオオナムヂですが、ついに居間に招かれることになったのです。

 

スサノオはゴロリと横になるとオオナムヂを呼び寄せました。

 

 

 「シコオ、こっちへ来い。」

 

「はい」

 

緊張した面持ちで、でも堂々とオオナムヂはスサノオに近づきました。

 

よう