~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命に狙われたオオナムヂは、スサノオの助けを求め根の国に逃れました。そこでスセリビメと出会い結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオは快く思っていないようでした。スサノオはオオナムヂに蛇の間で休むよう言いましたが、スセリビメの手助けによりオオナムヂは蛇の難を逃れぐっすりと眠ることが出来ました。
蛇の間から元気に出てきたオオナムヂにスサノオは次の嫌がらせを考えました。
ス「シコオ(オオナムヂの呼び名:イケてるヤツという意)っ!!ちょっとこい!!」
オ「はい、ただいま参ります!!」
スサノオはオオナムヂを呼びました。
ス「今夜はこの部屋で休め。じゃあなっ!!」
スサノオはそっけなく言うと、さっさと行ってしまいました。
部屋の入り口には、『ムカデとハチの間』と書かれていました。嫌な予感がしたオオナムヂは、扉をそーっと開けてみました。すると・・・・
ゾロザワゾロザワゾロザワ
ブンブンブンブンブンブン
部屋の中は、ムカデとハチでいっぱいでした。
「や、やっぱり・・・」
前回の経験があるので、オオナムヂはそれほど驚きませんでしたが、とてもじゃないがこの部屋では休めないと思い、どうしたものかと思案していると・・・
「オオナムヂ様♪どうかなさいましたか?」
新妻のスセリビメがやってきました。
オ「スセリビメ、今夜は『ムカデとハチの間』だってさ。どうしたものか・・・」
ス「もう!お父さんったら!!」
というと、スセリビメは2枚の比礼(ひれ:スカーフのような布)を渡し言いました。
ス「こちらがムカデ用、こちらがハチ用の比礼です。蛇と同様、この比礼を振ればムカデもハチもおとなしくなるでしょう。」
オ「ありがとう、スセリビメ!!」
ス「お役に立ててうれしいですわ♥」
オオナムヂが比礼を振ると、ムカデもハチもひとところに集まりおとなしくなりました。
オオナムヂはゴロリと横になると、
「お義父さんはこれだけのムカデとハチをどうやって集めたのだろう?そして、スセリビメはいったい何枚の比礼を持っているのだろう????」
なんてことを考えていましたが、いつの間にか眠りに落ちていました。
よう