父親、現る!!
~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ続けるオオナムヂは、ご先祖であるスサノオに助けを求め、根の国に逃れました。そこで須勢理比売(スセリビメ)に出会います。二人はたちまち恋に落ち、結婚してしまいました。
父に結婚の報告をするため屋敷に戻ったスセリビメ。バタバタと父親の寝室に向かいます。
「お父さん、お父さん」
父親はゴロリと横になり、休んでいました。そしてやや面倒くさそうに娘の方を向くと言いました。
父「どうした?何を慌てているんだスセリビメ?」
ス「お屋敷の外にとても麗しい男神がおいでです。私、彼と結婚しました♥」
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「な、なんだと~!!」
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父親は飛び起きると、娘とともに屋敷の外に出ました。
外には突っ立ているオオナムヂがいました。
「お父様、この方です。素敵でしょう♪私たちの結婚、お祝いしてくれますよね?」
父親はオオナムヂの姿をみると、ニヤリと笑みを浮かべ言いました。
「フフフ、コイツは葦原(あしはら)の色許男(しこお)だ!!」
「葦原の色許男」とは、「葦の生い茂る中つ国(なかつくに:地上世界)からやってきたイケてるヤツ」という意味です。
オオナムヂは父親と対面すると、やや緊張した面持ちで言いました。
「は、は、はじめまして、お義父さん」
父親はギロリとオオナムヂを睨みつけました。
よう