母の愛①
~これまでのお話~
八上比売(ヤガミヒメ)争奪戦にあっさり勝利したオオナムヂでしたが、嫉妬した兄達の罠にはまり、命を落としてしまいました。そんなオオナムヂを助けるため、現れたのが・・・
真っ黒焦げになったオオナムヂの元に現れたのは、母親の刺国若比売(サシクニワカヒメ)でした。
「嗚呼、私のかわいいオオナムヂ。なんて姿に・・・」
哀しみに飲み込まれそうになったサシクニワカヒメでしたが、泣いていても何も変わらないと気持ちを切り替え、
「安心なさい。お母さんが助けてあげるわ。」
とオオナムヂを生き返らせる決意をしました。
(しかし、オオナムヂは死んでいるため返事が出来ません。)
サシクニワカヒメは、オオナムヂの遺体を大切に保管すると、宇宙の神である「神産巣日神(カミムスヒノカミ)」に会いに行きました。カミムスヒは天地創造の時に現れた「生み出すエネルギー」を司る神です。
カミムスヒに面会したサシクニワカヒメは、息子・オオナムヂを生き返らせてくれるよう懇願しました。
母の愛に心を打たれたカミムスヒは「オオナムヂのように優れた男神を死なせてはならん」と考え、オオナムヂを生き返らせるため地上に使者を送ることにしました。
よう
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