兄達の告白
~これまでのお話~
八神比売(ヤガミヒメ)にプロポーズをするために旅に出た80人兄弟の八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)は、ついにヤガミヒメと対面を果たしました。しかし、大騒ぎし、手ぶらで訪問したためヤガミヒメに呆れられてしまいます。そこへ、兄達の荷物を背負ったオオナムヂが現れました。
「ふぅ、やっとついたぞ。お兄ちゃんたち、お待たせ。」
オオナムヂは額の汗をぬぐいました。
80人の兄達は、オオナムヂに罵声を浴びせました。
「おせ~んだよ!!」
「どこほっつき歩いてたんだ!!」
「さっさと荷物をだせよ!!」
そして、自分の荷物を取り出すため、我先にとオオナムヂの背負い袋に群がりました。
珍しいもの、高価なもの、自身の技を駆使して作り上げたもの・・・それぞれが自慢の品を手にヤガミヒメにアピール合戦を始めました。
「出雲で採れた宝石。すげーだろう!!」
「これ限定品で手に入らないんだぜ!!」
「俺の書いたポエム集。」
「そんなものより、こっちの・・・」
「いやいや、オレは・・・」
ワイワイガヤガヤ
ワイワイガヤガヤ
しばらくしてからヤガミヒメが口を開きました。兄達は急に静かになります。さぁ、誰を選ぶのか・・・
(オレか?)
(オレだろ?)
(オレに間違いない!)
(ドキドキ・・・)
(ご、ごくり・・・)
そして・・・
「私はあなた達には嫁ぎません!!」
ずずず、ずこ~
兄達は全員ズッコケました。
「そ、そりゃないよ~」
「そうだよ、遠路はるばる会いに来たんだぜ!!」
「こんなにたくさんのプレゼントも持ってきたんだし・・・」
「答えは今じゃなくてもいいんだよ、うん。」
よう
【古事記講義のお知らせ】
12月5日(日)14:00~16:00 埼玉小川町
よろしくお願いいたします。